岡山

岡山

ほどけるような淡い赤色、朝焼けの空が広がった岡山。
ホテルのカーテンを開けて、窓の外を眺めていた。
ただひたすらぼんやりと、原因のない現象はあり得るのかを考えていた。
すると、一羽の鳥が、左から右へ窓枠の向こうへとすり抜けていった。
ほんの一瞬だったけれど、その時間はいつもの何十倍にも、何百倍にも拡張されていた気がした。
例えば想起された原因のない現象は、何十倍にも、何百倍にも拡張された時間の中でもありうるのかが気になった。
旅に出るといつも思う、旅先の時間はその土地土地で異なり、刻み方を変えると。
同じであるはずが、土地土地で本当は異なるのだと。
影を持たない、ほどけるような淡い光の中で、鳥が飛び去った先に原因のない時間がある気がした。

今日は、倉敷に行く。

2022年8月10日　岡山