小さな島の十字架
小さな島の十字架
海が見たくなって、その晩旅だった。
朝早く、小さな島に着いた。
島を巡った、誰もいない浜辺に行きたかったから。
突然、海沿いに十字架があった。
1549年にザビエルがこの国に来た時から、西洋との歴史が始まった。
この国では、キリスト教の信仰を持ったがゆえに
小さな島々に流された人たちがいた。
この国の歴史そのものに、キリスト教と東洋の相克がある。
だから、小さな島々には、歴史が刻まれている。
その小さな島から、海を見つめる十字架に、
歴史という長い時間に思いを馳せた。
そして、自分の中の血の中に刻まれた悲劇を見つめた。
小さな島の十字架
海が見たくなって、その晩旅だった。
朝早く、小さな島に着いた。
島を巡った、誰もいない浜辺に行きたかったから。
突然、海沿いに十字架があった。
1549年にザビエルがこの国に来た時から、西洋との歴史が始まった。
この国では、キリスト教の信仰を持ったがゆえに
小さな島々に流された人たちがいた。
この国の歴史そのものに、キリスト教と東洋の相克がある。
だから、小さな島々には、歴史が刻まれている。
その小さな島から、海を見つめる十字架に、
歴史という長い時間に思いを馳せた。
そして、自分の中の血の中に刻まれた悲劇を見つめた。