カプリブルー 7

    7  カプリブルー /幻想の青

夢の色が舞い降りる。
カプリの青は、優しくすべてを包む色。

目に見えない、音のない歌を歌ってきた。
存在しない歌に魂を灯した。
リズムも消え去る、言葉は音にならなかった。
言葉は透明、無の中で、不可能を可能にした。
透明に青い炎が宿り、音が輝き出した。
幻想と幻影。
音は、まるで海を煌く光のようだった。
目の前に、見える対象があって、
音があって、波の音と呼応しあった。
今、こうして、私は歌う。
これが、私の最後の歌だから。
これが、あなたの魂だから、私とあなたの約束だから。
最後の時が来た。
静かに祈るように、魂の灯を消すように。
この生がなくなる前に、この声が消え去ろうとも。
私は恐れない、私という主観こそが真実だから。
涙は青く輝き、冬の海の色になる。
私は自由になって、あの歌をあなたと歌う。
遠い青い波の向こうで。
夢の中でしか歌わないあの歌。
青いカプリの海が先に歌い切った。
カプリブルーの海は、何もなかったかのように、静まり返った。
風は、波に別れを告げた、静寂という真実と共に。
美しい青い色は夜の闇の中。
青い色が満月の光に照らされた時が旅立ちの合図。
私は、夜の女王は歌えない、それは若い時の夢だったから。
私は、今あの夢を果たしている、青いカプリブルーの中で。
そして、私の歌声はカプリ色の青の中に溶け去ってゆく。
永遠のカプリブルーの中に。

夢の色が舞い降りる。
カプリの青は、優しくすべてを包む色。
(完)

著作集「波の奏でる音楽を聴きに
「カプリブルー、7.幻想の青」より抜粋

   7  カプリブルー / 幻想の青

夢の色が舞い降りる。
カプリの青は、優しくすべてを包む色。

目に見えない、音のない歌を歌ってきた。
存在しない歌に魂を灯した。
リズムも消え去る、言葉は音にならなかった。
言葉は透明、無の中で、不可能を可能にした。
透明に青い炎が宿り、音が輝き出した。
幻想と幻影。
音は、まるで海を煌く光のようだった。
目の前に、見える対象があって、
音があって、波の音と呼応しあった。
今、こうして、私は歌う。
これが、私の最後の歌だから。
これが、あなたの魂だから、私とあなたの約束だから。
最後の時が来た。
静かに祈るように、魂の灯を消すように。
この生がなくなる前に、この声が消え去ろうとも。
私は恐れない、私という主観こそが真実だから。
涙は青く輝き、冬の海の色になる。
私は自由になって、あの歌をあなたと歌う。
遠い青い波の向こうで。
夢の中でしか歌わないあの歌。
青いカプリの海が先に歌い切った。
カプリブルーの海は、何もなかったかのように、静まり返った。
風は、波に別れを告げた、静寂という真実と共に。
美しい青い色は夜の闇の中。
青い色が満月の光に照らされた時が旅立ちの合図。
私は、夜の女王は歌えない、それは若い時の夢だったから。
私は、今あの夢を果たしている、青いカプリブルーの中で。
そして、私の歌声はカプリ色の青の中に溶け去ってゆく。
永遠のカプリブルーの中に。

夢の色が舞い降りる。
カプリの青は、優しくすべてを包む色。
(完)

著作集「波の奏でる音楽を聴きに
「カプリブルー、7.幻想の青」より抜粋

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