カプリブルー 5
5 カプリブルー /幸せの青
青と緑が交わる色は、幸福の色。
幸福は、二つが交わった一つの色の中。
理性は感情に従い、感情は偽りに従った。
その感情のまま、その感情に理由付けた。
歌えないではなく、歌わない。
本当は、声が出るのに歌わない。
真実は伝播し、伝播しない真実は、偽り。
真実と信じている偽りは、不幸と隣り合わせ。
苦悩という感情を置いてみた。
一番似合っている気がした。
嘘という感情も置いてみた。
虚実ってこういうのかと思った。
嘘も青ければ、真実も青く染まる、
あのカプリの青に。
その青が、空の色と一緒になる時、太陽は、燃え尽きる時を告げる。
生成から消滅。
その形式の中で、形式は形式を超えて行くのだと。
同期していた形式は、同期した形式にさらに同期する。
形式を歌えるとは思わない、伝播しない虚実だから。
青から音が遠ざかった。
秋が、青に同期した形式美を与えていたのに。
その背後には、儚さという真実があった。
理性は感情に従い、感情は偽りに従う。
本当は、それがすべてだった。
幸せという時間の儚さこそが真実だった。
時間の中にすべて、消え去りゆく。
恋焦がれるような甘い時も、ほんの一瞬。
でも、確実に存在していた。
消え去った時の中、
青いカプリの海に悲しい花びらが舞い降りた。
一輪の赤い花びらが波に揺れていた。
青と緑が交わる色は、幸福の色。
幸福は、二つが交わった一つの色の中。
著作集「波の奏でる音楽を聴きに」
「カプリブルー、5.幸せの青」より抜粋
5 カプリブルー / 幸せの青
青と緑が交わる色は、幸福の色。
幸福は、二つが交わった一つの色の中。
理性は感情に従い、感情は偽りに従った。
その感情のまま、その感情に理由付けた。
歌えないではなく、歌わない。
本当は、声が出るのに歌わない。
真実は伝播し、伝播しない真実は、偽り。
真実と信じている偽りは、不幸と隣り合わせ。
苦悩という感情を置いてみた。
一番似合っている気がした。
嘘という感情も置いてみた。
虚実ってこういうのかと思った。
嘘も青ければ、真実も青く染まる、
あのカプリの青に。
その青が、空の色と一緒になる時、太陽は、燃え尽きる時を告げる。
生成から消滅。
その形式の中で、形式は形式を超えて行くのだと。
同期していた形式は、同期した形式にさらに同期する。
形式を歌えるとは思わない、伝播しない虚実だから。
青から音が遠ざかった。
秋が、青に同期した形式美を与えていたのに。
その背後には、儚さという真実があった。
理性は感情に従い、感情は偽りに従う。
本当は、それがすべてだった。
幸せという時間の儚さこそが真実だった。
時間の中にすべて、消え去りゆく。
恋焦がれるような甘い時も、ほんの一瞬。
でも、確実に存在していた。
消え去った時の中、
青いカプリの海に悲しい花びらが舞い降りた。
一輪の赤い花びらが波に揺れていた。
青と緑が交わる色は、幸福の色。
幸福は、二つが交わった一つの色の中。
著作集「波の奏でる音楽を聴きに」
「カプリブルー、5. 幸せの青」より抜粋