カプリブルー 1

    1  カプリブルー / 永遠の青

その青は、天を染める色。
カプリはその美しさ以外、一切の存在さえ許さない美。

春の朝日の美しさの中で、柔らかな光に包まれた。
カプリブルーが、美しさを極めた。
けれど、その美しさの中でさえ、
私はあの歌は歌えない、それは若い時の夢だったから。
海からの風に花が揺れた。
そして、私は恋の歌を歌い始めた。
波が過去の存在を打ち消した。
私は、海から送られて来た物語を歌った。
人生が海からの風に揺れた。
歌の向こうと波のこちら側にも
海が広がるように、物語が広がった。
私の歌は人生そのもの
深い青に私の生き様が乗り移った。
光が青を弄んだ。
やがて、深い青から、浅い青に変わった。
人生が喜劇から悲劇に変わるように。
朝はやがて、昼になり、夜になる。
その繰り返し、人の生も同じ。
すべては、永遠の青い定理の中で育む。
それは、遠い昔から何も変わらない。
その定理の中に夢があった。
私は、夜の女王は歌えない、それは若い時の夢だったから。
二度と戻らない失った夢だから。

その青は、天を染めていた色。
カプリはその美しさ以外、一切の存在さえ許さなかった美。


著作集「波の奏でる音楽を聴きに
「カプリブルー、1.永遠の青」より抜粋

   1  カプリブルー / 永遠の青

その青は、天を染める色。
カプリはその美しさ以外、一切の存在さえ許さない美。

春の朝日の美しさの中で、柔らかな光に包まれた。
カプリブルーが、美しさを極めた。
けれど、その美しさの中でさえ、
私はあの歌は歌えない、それは若い時の夢だったから。
海からの風に花が揺れた。
そして、私は恋の歌を歌い始めた。
波が過去の存在を打ち消した。
私は、海から送られて来た物語を歌った。
人生が海からの風に揺れた。
歌の向こうと波のこちら側にも
海が広がるように、物語が広がった。
私の歌は人生そのもの
深い青に私の生き様が乗り移った。
光が青を弄んだ。
やがて、深い青から、浅い青に変わった。
人生が喜劇から悲劇に変わるように。
朝はやがて、昼になり、夜になる。
その繰り返し、人の生も同じ。
すべては、永遠の青い定理の中で育む。
それは、遠い昔から何も変わらない。
その定理の中に夢があった。
私は、夜の女王は歌えない、それは若い時の夢だったから。
二度と戻らない失った夢だから。

その青は、天を染めていた色。
カプリはその美しさ以外、一切の存在さえ許さなかった美。

著作集「波の奏でる音楽を聴きに
「カプリブルー、1. 永遠の青」より抜粋

前の記事

Sevilla

次の記事

バルセロナ